天草の老舗「まるきん」が愛され続ける理由とは?歴史と復活に込められた想いを紹介

「学校帰りによく買いに行ってたな。」
「久しぶりに帰省したら、なんだか食べたくなる。」

天草で育った人なら、そんな思い出がある方も多いのではないでしょうか。

天草市本渡の本渡中央商店街(以下、銀天街)で長年親しまれてきた「まるきん」は、ただたい焼きを販売するお店ではありません。

学校帰りに友達と立ち寄ったり、
家族との買い物帰りに寄ったり、
おじいちゃんやおばあちゃんがお土産に買ってきてくれたり……。

世代を超えて、多くの人の思い出が詰まった場所です。
一度は閉店し、「もうあの味は食べられないのかな」と寂しく感じた人も少なくありませんでした。

しかし、「もう一度まるきんを残したい」という多くの人の想いに支えられ、2017年に復活。

現在では、昔から通う地元のお客さんだけでなく、SNSをきっかけに県外や海外から訪れる人もいる人気店となっています。

今回は、そんなまるきんの歴史や復活の背景、そして長年愛され続ける理由をご紹介します。
昔から知っている方も、「最近行ってないな」という方も、この記事を読み終える頃には、きっとあの丸いたい焼きが恋しくなるはずです。

天草で愛され続ける「まるきん」の歴史

昭和から続く、地域のおやつとしての存在

まるきんは、銀天街で1947年に創業した老舗のたい焼き店です。

今のようにコンビニスイーツやチェーン店が身近ではなかった時代、
まるきんのたい焼きは子どもたちにとって「ちょっと特別なおやつ」として日常の中に自然と溶け込んだ存在でした。

だからこそ、

「子どもの頃によく食べていた」
「親に連れて行ってもらった」
「今は自分の子どもを連れて行っている」

そんな世代を超えた思い出が、今も多くの人の中に残っています。

一方で、時代の流れとともに一度閉店することになります。

その知らせを聞いた時、

「もう食べられないなんて寂しい」
「思い出のお店がなくなるのは残念」

と感じた人も多かったそうです。

それだけ、まるきんは単なるたい焼き店ではなく、地域の暮らしに寄り添ってきた大切な場所だったのでしょう。
そして、その想いが新たな復活への大きな力になりました。

一度閉店…それでも「まるきん」が帰ってきた理由

「もう一度、あのたい焼きを食べたい。」

そんな地域の声に応えるように、まるきんは2017年に新しく生まれ変わりました。

復活プロジェクトに携わったのは、放送作家・脚本家として知られる小山薫堂さんと、現在の店主・高松さんをはじめとする関係者のみなさんです。

目指したのは、昔のお店をそのまま再現することではありません。

「懐かしくて、帰省した時にまた立ち寄りたくなるお店にしたい」

そんな想いを大切にしながら、現在のまるきんは営業を続けています。

実際、お盆やお正月には、県外で暮らす天草出身の方が「帰ってきたらまず寄りたい」と訪れることも多いそうです。

たい焼きを買うことだけが目的ではなく、

「昔歩いたこの場所を見たい」
「まるきんの香りをもう一度感じたい」

そんな気持ちで足を運ぶ人もいるのかもしれません。

店主の高松さんは、銀天街について、

「昔に比べるとお店が少なくなって寂しい部分もあります。でも、だからこそ商店街の楽しさを少しでも残していきたい」

と話します。

まるきんは、たい焼きを販売する場所であると同時に、
人が集まり、会話が生まれ、思い出がつながる場所でもあるのです。

「まるきん」といえば丸いたい焼き!変わらない形に込められた想い

まるきんを初めて訪れた人が驚く特徴のひとつが、丸いたい焼きです。
一般的な魚の形ではなく、ころんと丸い形をしています。

「これもたい焼きなの?」

と思う方もいるかもしれませんが、この形こそ、まるきんならではの魅力。

昔から通う人にとっては、「たい焼きといえばこの形」と感じるほど、馴染み深い存在です。

そして、もうひとつ忘れてはいけないのが、たい焼きを焼く機械。

実はこの機械、昭和40年代頃から使われているもので、今も現役で活躍しています。

一度閉店した後も、新しい機械に変えるのではなく、昔から使われていたものを大切に引き継ぎました。

焼き上がる時に聞こえる「カン、カン」という音を聞いて、「懐かしい」と感じるお客さんも多いそうです。
味だけではなく、音や香り、店内の雰囲気まで含めて、まるきんの思い出になっているんですね。

実は知られていない!まるきんのおいしさへのこだわり

「昔ながらのお店だから、味も昔のままなのかな?」

そう思う方もいるかもしれません。

実は、復活したまるきんには、新しいこだわりがたくさん詰まっています。

そのひとつが、生地とカスタードクリームです。

復活の際には、小山薫堂さんの想いから、兵庫県の人気パティスリー「エスコヤマ」のオーナーパティシエ・小山進シェフがレシピづくりに携わりました。

昔から愛されてきた雰囲気を残しながら、より多くの人に楽しんでもらえる味を追求しています。

さらに、カスタードクリームには天草のお茶が使われています。
小山訓導さんが気に入り、「ぜひ使いたい」と希望した食材のひとつだそうです。

地元の素材を取り入れながら、新しい魅力を加える。
それが、現在のまるきんの味につながっています。

初めて訪れる方には、あんことカスタードを一緒に楽しめる「ミックス」も人気です。

天草だけじゃない!県外や海外からも訪れる人気店へ

現在では、まるきんを目的に天草を訪れる人も増えています。
鹿児島や福岡をはじめ、神奈川や北海道など遠方から訪れるお客さんもいるそうです。

きっかけのひとつになっているのが、InstagramなどのSNS。

「旅行で天草に行くなら、ここに寄りたい」

そんな場所として紹介される機会も増えています。

さらに、台湾など海外から訪れるお客さんもいるとのこと。

昔から地域に愛されてきた味が、今では天草を訪れる人との新しいつながりを生み出しています。

お土産にもおすすめ!冷凍たい焼きで自宅でも楽しめる

「遠方だからなかなか買いに行けない」

そんな方に人気なのが、冷凍たい焼きです。
焼きたてを急速冷凍しているため、自宅でもまるきんのおいしさを楽しめます。

おすすめは、電子レンジで温めたあと、オーブントースターで軽く焼く食べ方。
外は香ばしく、中はふんわりとした食感になり、焼きたてに近い味わいを楽しめます。

家族へのお土産や、久しぶりに帰省する時の手土産にもぴったりです。

まるきんは、たい焼きと一緒に思い出を届けてくれる場所

まるきんが長年愛され続ける理由は、おいしいたい焼きだけではありません。

昭和から続く歴史。
地域の人たちとのつながり。
一度閉店しても「残したい」と願われた存在であること。
そして、昔ながらの良さを守りながら、新しい挑戦を続けていること。

そのすべてが、まるきんの魅力になっています。

子どもの頃によく通っていた人にとっては、懐かしい記憶がよみがえる場所。
初めて訪れる人にとっては、天草の魅力を感じられる場所。

親から子へ、子から次の世代へ。

まるきんは、たい焼きと一緒に大切な思い出も届け続けています。

久しぶりに訪れる方も、初めて訪れる方も、ぜひ丸いたい焼きを片手に、まるきんの歴史と温かい雰囲気を感じてみてはいかがでしょうか。

ページTOPへ